
常務取締役辻本 正雄
もともと柴社長と前職で一緒に働いていました。しかし、会社が倒産してしまい、私は別の会社に転職しました。ただ、その会社が自分には合わず、すぐに退職を決意。そのタイミングで柴社長から「一緒にやらないか」と声をかけてもらい、エス・バイ・ティの立ち上げに参加しました。
創業時はわずか4人でのスタートでした。柴社長が営業、私は施工管理、他のメンバーは設計とデザイン担当と、それぞれ役割を持っていました。しかし、施工を実際に担当できるのは私一人だったため、すべての現場を一手に引き受ける必要があり、同時に複数の現場を管理しなければならない状況でした。時には手一杯で対応が難しいかもしれないと思うこともありましたが、その中でも必死に信頼を得ながら事業を拡大していきました。
大きな転機となったのは、大手全国チェーン居酒屋店の案件を担当したことです。全国規模で年間30店舗以上の施工を手掛けるようになり、それに伴い全国の協力業者との連携を強化しました。当初は、柴社長が各地の工務店に直接コンタクトをとり、パートナーシップを築いていきました。その積み重ねが今の強みにつながっています。
全国対応を実現する上で課題となるのが、地方業者との連携です。特に「納期に対する考え方の違い」が大きな壁でした。例えば、東京では「工期が決まっている=その日までにすべて完了させる」という意識が強いですが、地方では「とりあえず形になっていればOKで、手直しは後日」という考え方が一般的な場合もあります。その違いを埋めるため、毎週の工程会議を徹底し、事前に納期の重要性を伝えることで品質の統一を図っています。

全国どこでも同じクオリティの施工を提供できることが、私たちの強みです。特に、チェーン展開しているクライアントにとっては「どの地域でも同じ品質で店舗を作れる」ということが大きなメリットになります。そのため、長期的な取引につながりやすく、リピート案件が多いのも特徴です。
また、価格戦略も重要です。新規案件の獲得時には、入札での価格競争になることが多いため、まずはコストを抑えて案件を獲得し、そこで実績を作る。その後、品質の高さを評価いただき、継続的な契約につなげるという流れを意識しています。
まず、ものづくりが好きな人ですね。この仕事は単なる管理業務ではなく、現場での対応力や技術力が求められます。そのため、細かい作業が好きだったり、建築に興味がある人が向いていると思います。
また、やる気と根性も重要です。エス・バイ・ティでは、未経験からでも3〜5年の経験を積めば、独立できるレベルまで成長できます。ただし、それには本人の努力が欠かせません。仕事に対する責任感を持ち、向上心を持って学び続ける人であれば、確実に成長できる環境があります。
短期的な目標としては、現在育成中の未経験スタッフを一人前に育てることです。エス・バイ・ティには未経験から入社し、2年目を迎えた社員が多くいます。彼らが独り立ちできるようしっかりサポートしていきたいですね。
また、女性スタッフの定着と活躍を促進することも目標の一つです。最近、施工管理職にも女性が増えてきています。細やかな対応が求められる場面では女性の強みが活かせるため、今後も積極的に女性が活躍できる環境を整えていきたいと考えています。
エス・バイ・ティの施工管理は、単なる現場監督ではなく、全国の現場を統括し、クオリティを維持する「空間プロデューサー」としての役割を担います。これからも私たちは、高品質な空間づくりを通じて、新たな価値を提供し続けます。